通常ストーリー

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月最終話 三重の虹の伝説

空には、見たこともない三色の虹が大きく弧を描いている。 陽影さんはわき目も振らず、街を抜け出し海に向って走り続けていた。 〇〇「ま、待ってください! いきなりどうしたんですか?」 陽影「話は後でするから!」 強引に手を引っ張られるまま、二人...
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月7話 雨上がりの空

いつまでも降り続くと思われた雨は昼過ぎに上がった。 水滴が屋根や草を濡らすなか、雲間からかすかに陽が差し始める。 陽影「〇〇、ずっと部屋の中いても腐っちまう。外にでも出ねーか?」 〇〇「……そうですね」 部屋を訪れた陽影さんに誘われて、私は...
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月6話 止まない雨

祭りの最終日を前にして降ってきた激しい雨に、私はただ晴れることを祈るしかできなかった。 そして翌日、夜明けとともに見上げた空に見えたのは…-。 〇〇「……雨」 昨日と変わらない、幾分風が弱くなっただけの雨曇りの空だった。 部屋を出ると、城の...
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太陽SS 酔いつぶれた後悔

陽影「……やっちまった」 祭りで酔いつぶれたオレは、いつの間にか自分の部屋の布団に運ばれていた。 そうして、まだわずかにぐらつく頭で先ほどの出来事を必死に思い出す。 (えっと……) ――――― 陽影『なあ……オレの側にいろよ?』 ○○『……...
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太陽最終話 甘い真夏の夜の夢

夜空では、無数の花火が音と光を散らしている。 (どうして……?) 突然重ねられた唇に、私の心臓が震え出す。 大きく鳴り響く鼓動に、私にはもう花火の音すら聞こえなくなっていた。 陽影「……」 かすかに触れた唇が、やがてゆっくりと離れて…―。 ...
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太陽7話 夜空の大輪

街は、楽しそうな人々の声に満ち溢れている。 (今日が終わったら、陽影さんとはもうお別れ……) さきほどから胸に、寂しさが募るばかりだった。 (陽影さんは……どう思っているんだろう) 目の前で出店の店主と話し、かき氷を注文した陽影さんを見る。...
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太陽6話 はぐれないように

祭りの最終日を目前にして降ってきた激しい雨に、私はただ晴れることを祈るしかできなかった。 そして迎えた最終日…―。 喜ばしいことに嵐は過ぎ去り、空にはさわやかな晴天が広がっていた。 私と陽影さんは二人で手を繋いで、胸を弾ませながら祭の行われ...
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第5話 テルテルボウズ

その日以来…―。 陽影さんは祭の最中に顔を合わせると、人々に囲まれていても応えてくれるようになった。 時には手を振り、仲間と共に話に混ぜてくれたり、二人で祭を回ってくれたりする。 (陽影さんといると、すごく明るい気持ちになれる) (祭の最終...
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第4話 一緒に行こうな

晴天の空はいつしか雲に覆われ、降り注いでいた太陽の光も薄らいでいる。 その空を仰ぎ見ながら、陽影さんが、彼にしては小さな声で話し出した。 陽影「オレ、さ…―。小さな頃から思い込むとそれ一直線で周りが見えなくなるんだ。 だからいい奴だなって思...
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第3話 凪の海のような

晴天の空で太陽が、今日もさんさんと輝いている。 (暑い……) 初日に陽影さんと祭を一緒に楽しんでから、早数日の時が経とうとしていた。 夏越の祭はそれは見事なもので、私はすっかり異国情緒あふれるこの国に夢中になった。 でも…… (陽影さん、今...