通常ストーリー

万里『実は私、可愛いキャラクターグッズとか、あと少女マンガとかが大好きで……』 万里くんの口から告げられた言葉に、驚いたけれど…… 〇〇「私はいいと思います。男の人がこういうの好きでも…－」 万里「いいえ！」 万里くんが激しく首を振る。 〇...

撮影スタジオの裏口を出ると、もう日が傾いていた。 スタジオの奥の大きな建物が、オレンジ色に染まっている。 万里「この建物が、この国では城になるんです。　……アクション俳優のプロダクションと養成施設も一緒になっているんですよ」 〇〇「すごい…...

撮影が終わり、スタジオの時計を見る。 時計の針が指すのは4時と、夕方に差し掛かっていた。 〇〇「終わりですか？」 万里「今日はちょっと、いつもより調子がよかったので、早く終わりました」 〇〇「いつもより……」 万里「はい。監督はこだわる方で...

万里『……そっと裏口から入ってきてください』 すぐに現場に戻らなければいけない万里くんに、急ぎ場所だけ教えてもらう。 向かった先にはスラムの雑居ビルを模したセットが組まれていた。 〇〇「ここが撮影現場……あ、あれは」 万里くんがセットの中央...

映画の国・羅漢星・薫の月…－。 ――――― 万里『新しい映画の撮影が始まったのですが、見学に来てはみませんか？　助けてもらった礼というか、興味があるようだったので……』 ――――― 先日、眠りから目覚めさせた万里くんに、そう誘われた。 そし...

覚醒前 第1話　銀幕のカンフースター 第2話　真剣な眼差し 第3話　ファンからの贈り物 第4話　ぱんだちゃん 太陽覚醒 太陽5話　アクションスターとして 太陽最終話　二人だけの秘密 太陽SS　アナタだけに… 月覚醒 月5話　意外な好み 月最...

夕陽に染まったレースのカーテンが風を含み揺れる。 ○○の肩を抱いて歩きながら、俺は窓の外を見つめた。 （何だ、この気持ちは……） 先ほど汚らわしい盗賊に襲われたことに、俺は半ば感謝すらしていた。 なぜなら…ー。 （俺はずっと空虚だった） （...

森の木々達が、不安げにざわめいている…ー。 ハク「……」 ハクさんと私は、盗賊達に囲まれてしまっていた。 盗賊１「ハク王子……今日こそ一緒に来てもらうぜ」 盗賊２「お前を餌に、国から莫大な金をむしり取ってやる」 ハク「……馬鹿馬鹿しい」 そ...

ハクさんの瞳が、鋭い光を帯びている…… （どうしたんだろう……） ○○「あの……」 声をかけようとすると、うさぎがハクさんの足の周りを飛び跳ねる。 すると、うさぎに向けられた彼の視線から鋭さが消えていった。 ハク「……」 ○○「もうすっかり...

ハクさんに抱きかかえられ、城に戻ると…ー。 ハク「……」 丁寧に私のひざを消毒し、包帯を巻いてくれた。 （あ……） 昨日出会った、怪我をしたうさぎが私のところへやってくる。 うさぎは元気に、私達の周りを飛び跳ねていた。 （よかった……治った...