水鏡に映る花嫁

水鏡に映る花嫁

月最終話 貴方への物語

私が作ったオムライスを食べ終わると、藤目さんはほっと息を吐いた。藤目「とてもおいしかったです。やはり、貴方はいい奥さんになれますね」(私が、いい奥さんに……?)まっすぐに見つめられ、恥ずかしくなって顔を逸らしてしまう。○○「あの、私、藤目さ...
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月7話 溢れ出す感情

飛鳥さんのことを聞かれて話せないでいると、藤目さんは悲しそうに睫毛を伏せた。(どうしよう……本当のことを話したら……)戸惑いを隠せず、私は言葉を詰まらせてしまう。すると次の瞬間…―。○○「……!」首筋に顔を寄せられて、思わず持っていた袋を落...
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月6話 言えないこと

飛鳥さんと別れた後…-。もやもやとする気持ちを紛らわすために、私は市場にやってきていた。(嫉妬……か。飛鳥さんは成功だって言ってたけど)―――――藤目『……貴方の運命の人はその方なのでしょう。ならば、それを邪魔するわけにはいきませんね。 人...
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太陽最終話 貴方は私の妻

藤目さんが筆を走らせる音だけが聞こえてくる。(大丈夫かな・・・・・・)尋常ではない様子の藤目さんが心配で、私は帰るに帰れずにいた。けれど藤目さんは、私などいないかのように一心不乱に机に向かい続けて・・・・・・・・・・・・・・・そして朝方・・...
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太陽7話 彼の嫉妬

藤目さんは無言のまま、私を部屋の中へと促す。○○「・・・・・・!」部屋の中には書きかけの原稿が散らばっていた。(藤目さん、原稿の執筆中だったんだ・・・・・・お邪魔だったかもしれない)藤目「・・・・・・」藤目さんはずっと黙ったまま、扉の前に立...
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太陽6話 無言な彼

飛鳥さんと別れた後・・・-。さっきの藤目さんの態度を思い返しながら、私は市場にやってきていた。(嫉妬・・・・・・)ー----藤目『・・・・・・貴方の運命の人はその方なのでしょう。ならば、それを邪魔するわけにはいきませんね。 人の恋路を邪魔す...
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第5話 彼の足りない感情

飛鳥さんの大きな声が、神殿に響き渡る・・・-。飛鳥「おお・・・・・・! 私の運命の相手はあなたでしたか!!」○○「!?」けれど・・・-。(どういうこと・・・・・・?)水鏡には何も映っていなかった。いくら見つめても、ただゆらゆらと水面が揺れる...
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第4話 私の運命の人

水鏡を見に訪れる恋人達を見ていると・・・-。藤目「・・・・・・」藤目さんが口元に手をあてて、ふっと吐息を漏らした。藤目「さて、そろそろ宿泊先に戻って小説の続きを書かなくてはなりません」よく見るとその目の下には、微かにクマができていた。○○「...
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第3話 彼の知る愛

太陽が高く昇る中、私と藤目さんは、神殿へと急ぐ・・・-。(よかった、間に合って・・・・・・)無事に、儀式の前に到着することができた。神殿にはすでに、婚宴の儀に出席する王族や貴族の方々が集まっている。(ここで、藤目さんは朗読をするんだよね)藤...
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第2話 貴方はまるで……

藤目さんの微笑みが、柔らかな陽の光に包み込まれる・・・-。藤目「・・・・・・」藤目さんは、まじまじと私のことを見つめてきた。○○「あの・・・・・・私、どこか変ですか?」藤目「素敵なドレスをお召しですね。貴方によく似合っている」○○「え・・・...