太陽7話 兵士たちの噂

一週間ぶりに、モンスターの討伐隊が帰還した後……

彼らの討伐成功を祝うため、城では午後から祝勝会が開かれることになった。

料理や飲み物を並べたテーブルがいくつも用意され、

城の中庭は兵士やその家族で大賑わいとなっている。

(皆、笑ってる……本当に無事で良かった)

微笑ましく思いながら、私は離れた場所にいるカリバーンへ視線を向けた。

(カリバーンの活躍で、負傷者もほとんど出なかったって……やっぱり本当に、強いんだ)

部隊を率いた彼は、多くの人に取り囲まれていて、簡単には近づけそうにない。

(カリバーンと話したいけど、どうしよう……)

そんなふうに思いながら立ち止まっていると…-。

国王「○○姫」

○○「国王様……」

国王「カリバーンに労いの言葉をかけてやってくださらんか。あの子もきっと喜ぶ」

国王様は私の気持ちを察したのか、カリバーンのいる輪の中へと、連れて行ってくれた。

カリバーン「○○、すみません。待たせてしまって……」

すると…-。

兵士1「あれっ、カリバーン様ってば、もう姫様のこと呼び捨てにしてるんですね!」

カリバーン「えっ……ああ、そうだな」

兵士1「噂にはなってましたが、やっぱりお二人ってそういう間柄だったんですね!」

カリバーン「ちょっと待て。噂とは?」

兵士2「お二人のことは、城中の噂になってますよ!」

カリバーン「皆、何か勘違いをしているんじゃ……」

兵士1「隠すなんて水くさいですよ、カリバーン様」

兵士2「そうですよ。それにこんな美人な姫様なら、俺らも大歓迎ですよ!」

祝勝会のお祭りムードのせいか、周りにいた若い兵士さん達が、嬉しそうにからかってくる。

カリバーン「参ったな……」

私とカリバーンは一瞬目を合わせたあと、互いに気恥ずかしくて、視線を逸らしてしまった。

(これじゃあ、カリバーンと話せそうにないな……)

若い兵士さん達が飲み物を取りに席を外したと思えば、今度は貴族達がカリバーンを取り囲む。

貴族の男1「カリバーン様、此度の討伐について是非詳しい話をお聞かせください」

貴族の男2「記録をしたためて、今後の参考に致したいのです」

カリバーン「ああ……今回討伐したのは、大きさ的には中規模のモンスターで……」

カリバーンが私を気にして、問いかけるような視線を寄越す。

(今は……邪魔をしてはいけないかな)

私は微笑みながら頷き返し、そっとその場を離れることにしたのだったけれど……

さっきの兵士さんの言葉を思い出すと、頬がまた熱くなっていくのだった…-。

 

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