カリバーンがモンスター討伐へ出かけて一週間…-。
ついに、部隊が帰還するとの伝令が城へ届いた。
知らせを聞いた私は城壁の塔に登り、部隊の姿が見えるのを心待ちにした。
(カリバーン……怪我をしてたりはしないよね)
不安な気持ちで城壁の外に広がる荒野を眺めていると、遠くのほうに部隊が姿を現した。
(帰ってきた……!)
私は慌てて塔を降り、カリバーンを迎えるため、城下町へと急いだ。
城壁の周りは、部隊の帰還を待つ人々でごった返していた。
町の男性1「部隊が帰ってきたぞ!」
遠征帰りとは思えない美しい軍服姿の兵団が、城門を通り抜け、人々の前に姿を現す。
帰還した部隊を率いているのは、カリバーンと彼のお兄さんだ。
(よかった、無事だった……!)
騎乗のカリバーンの視線が、人々の中にいた私を捉える。
カリバーン「○○……!」
○○「おかえりなさい、カリバーン!」
周囲の人の歓声にかき消されないよう、勇気を出して大きな声で伝える。
カリバーンは驚いたように肩を揺らした後、顔を綻ばせた。
カリバーン「ただいま!」
そんなカリバーンを見て、人々の間にはそれまでと違うざわつきが広がっていく。
兵士1「なあ、あれって……」
兵士2「ああ……!」
兵士の方達も、何やら嬉しそうに囁き合っている。
(なんだろう?)
不思議に思いながらも、今は溢れる嬉しさに、精いっぱいカリバーンに手を振ったのだった…-。