武器の国・アヴァロン 薫の月…-。
堅固な城壁に囲まれたアヴァロンの城下町は、武器や防具の看板を掲げた多くの商店で栄えていた。
道行く人々の多くも、傍らに剣を携えている。
(さすが、武器の国……)
私は活気溢れる町を眺めながら、招待してくれたカリバーン王子に会うため、城を目指した。
しばらく進み、遠くに城の姿が見えてきた頃…-。
町の男性1「アヴァロン王家の騎兵隊だ……!」
馬に跨ったアヴァロンの騎兵隊が、隊列を組んで町を歩いている。
町の男性2「いつ見ても、迫力があって勇ましいな」
町の女性1「凛々しいお姿……見惚れてしまうわ」
町の人達は歩みを止め、気高い騎兵隊の姿を眺めながら、感嘆の声を漏らしている。
(皆が言うとおり、本当にかっこいい……)
粛々とした騎兵隊の行進に目を奪われていると、彼らは私の元へと近づいてきて……
(あれ……?)
先頭で隊を率いていた人が、馬から下り、恭しく頭を下げた。
美しい礼服使用の軍服がよく似合うその人こそ、私を招いてくれたカリバーン王子だった。
カリバーン「お迎えにあがりました……○○様」
○○「カリバーンさん……!」
カリバーン「遅くなってしまってすみません。姫、お手をどうぞ」
まるで物語の中の騎士のような振る舞いに、胸が高鳴る。
ドキドキしながら、差し出された手を握り返した。
カリバーン「失礼」
カリバーンさんは力強い腕でぐっと私を引き上げ、馬上へと導いてくれた。
カリバーン「では、城へ向かいます」
○○「はい……」
沿道の人々は、城を目指す私達に向かい、歓声を上げながら手を振ってくれる。
私はカリバーンさんの精悍な姿に、面映ゆい気持ちを覚えたのだった…-。