穏やかに進み始めたローラーコースターが、広大な背景を周りに映し出す…-。
ジェット「映画の物語にスッと入って楽しめるよう、ここはゆっくり走るように作ってあるんだ」
〇〇「本当に……あっ!」
ジェット「ははっ、そこ動物達の人形が飛び出してくるから気をつけろよ」
〇〇「も、もっと早く言ってください。びっくりしました」
ジェット「わりーわりー。あ、もうすぐフォトスポットだから、キメ顔で待ってろよ?」
〇〇「えっ……」
ジェットさんがそう言った後すぐに、コースターが加速し始める。
〇〇「……!」
思わず前方の安全バーをぎゅっと握りしめる。
ジェット「あそこだ!」
ジェットさんが前方にあるカメラを指差しながら、私の肩に手を回した。
(急に、距離が……)
速まるスピードと肩に乗せられた大きな手に、鼓動が早鐘を打ちっぱなしだった…-。