その後…-。
私達はジェットさんの出演作のアトラクションであるローラーコースターへと向かうことになった。
ジェット「あともう少しで到着だ」
たくさんの楽しそうなアトラクションを横目に、ローラーコースターにたどり着くと……
〇〇「大きい……!」
パンフレットを見るより、もっと大迫力のコースターが目の前に広がった。
屋外と室内を織り交ぜた造りに、見る人を圧倒する急角度のコースが、胸をドキドキさせる。
〇〇「わぁ……すごいですね!」
ジェット「だろ? 絶対面白くなるから、楽しみにしててくれよな!」
ジェットさんの表情が、嬉しそうにほころぶ。
〇〇「はい。是非乗ってみたいです!」
興奮気味に伝えると、ふと、ジェットさんの視線が脇に逸れた。
ジェット「それと……あそこにあるスクリーンに写ってる映像を見てくれよ」
〇〇「? はい」
彼の視線を追ったところには……
〇〇「あ……」
列の途中に暴走する列車を止めるべく、保安官が列車に飛び移るシーンが流れる。
〇〇「あ……!」
ジェット「そう、あのシーンは俺だ」
〇〇「ジェットさん、格好いいです」
思ったままの言葉が、つい口を衝く。
ジェットさんは、少し照れくさそうに口元をきゅっと引き絞った。
ジェット「ま……まあな! 俺自身もすごく、いいスタントができたって気に入ってるシーンなんだ」
〇〇「そうなんですね」
ジェット「このローラーコースターは、あの映画の世界をリアルに表現したアトラクションなんだよ」
彼は試運転中のローラーコースターを見上げ、清々しい笑顔をその顔に浮かべる。
ジェット「緊急脱出系のアクション映画でさ。 俺、これまでいろんなスタントを経験して、いろんな映画に出たけど……。 遊園地のアトラクションにするなら、この映画が絶対にいいって思ったんだよな」
力強い彼の言葉が、心地よく胸に響く。
〇〇「見てるだけでドキドキします」
ジェット「ああ、このコースターのイメージは暴走列車で、暴走の部分をハイスピードなコースターにしたんだ。 映画では、馬で駆けつけた保安官が活躍して、列車を止めて乗客を脱出させるんだけどな」
(ジェットさん……すごくいい顔してる。本当にいい仕事だったんだろうな)
輝きに満ちた瞳と弾むような声音が、私の気持ちを高揚させた…-。