ロルフ君の着る衣装の候補が決まってから数日、ついに収穫祭当日がやってきた…-。
(魔女と悪魔、ロルフ君はどっちの仮装にするのかな?)
彼の仮装を楽しみにしながら、私も収穫祭用の衣装に着替える。
ロルフ君は仮装衣装の手配を、この祭りのプロデューサーであるウィル王子に相談したようで……
(何を着ても、ロルフ君なら、すごくかわいいだろうな)
(でも……ウィル王子って、確かホラー映画監督だったよね)
支度をすませ、ウィル王子の元へ向かったロルフ君が帰ってくるのを待っていると…-。
ロルフ「○○ちゃん……」
控えめなノック音の後、ロルフ君が姿を現す。
ロルフ「どうでしょうか……お父さまみたいに、怖くて、強そうに見えるでしょうか……?」
小さな角に、ハート型の尻尾、そして鮮やかな裏地のマントは、彼を可愛い小悪魔に仕立てていた。
(これをウィル王子が? なんだかとても個性的)
少し得意気に槍を構えるロルフ君に、私はクスリと笑みをこぼした。
○○「いつもと違う雰囲気で素敵だよ」
ロルフ「ほんとですか……?」
おそるおそる顔を上げるロルフ君は、悪魔の格好をしていても、やっぱりとても可愛らしかった…-。