アヴァロンの街は、突然の事態に騒然となっていた。
混乱する人々の間をすり抜け、闘技場への道を急ぐと…-。
〇〇「あ、あれは……!」
ジーク「巨大モンスター! 本当に逃げ出したようですね」
観覧客が逃げ惑う中、アヴァロンの近衛兵団が、大型モンスターを相手に戦いを繰り広げている。
しかし巨大な敵を前にして、状況は劣勢のようだった。
ジーク「プリンセスはこの柱の陰に隠れていてください!」
〇〇「はい!」
ジークさんは、レイピアを片手に近衛兵団に合流する。
ジーク「助太刀いたします!」
近衛兵「どこの誰だか知らないが、助かる!」
その瞬間、耳をつんざくような咆哮が会場に響き渡った。
近衛兵「まずい! 観覧席の方へ向かってるぞっ」
ジーク「私が足止めをします、皆さんは捕縛の準備を!」
言うが早いかジークさんは空を翔るような素早い身のこなしで、巨大モンスターの前にひらりと飛び上がった。
ジーク「はぁっ!!」
鋭い一撃が、頭部で光る赤い目を一突きにする。
(すごい……!)
しかし思わぬ反撃にあったモンスターは、痛みに上体を起こし叫び狂う。
その尾が、凄まじい力で闘技場の観覧席を薙ぎ払った。
ジーク「危ない、プリンセスっ!!」
〇〇「っ!?」
ジークさんの声が聞こえ、上を仰ぎ見ると、私の眼前には、崩れた観覧席の瓦礫が迫っていた…-。