太陽7話 ハッピー収穫祭!

収穫祭イベント当日、ロルフ君が仮装に選んだのは、彼らしい魔女の衣装だった…-。

準備を整えた私達は、さっそく城下町へと遊びに来てみた。

お化けカボチャをはじめとする収穫祭の装飾が施された町を、仮装した人々が行き交う。

ロルフ「わぁ……人がいっぱいです……」

○○「うん、すごいね」

恐ろしい恰好をしながらも、皆笑顔を浮かべ、はしゃいでいる。

まるでお化け達のパーティという雰囲気で、私の胸も弾み出した。

ロルフ「これならボクも、怖くないです……」

○○「怖いっていうより、楽しい感じだよね」

ロルフ君と並んで立ち止まり、周囲を見回していると…-。

ピエロ「ハッピー収穫祭!」

ピエロに扮したおじさんが、お菓子の入った袋を差し出してくれる。

ロルフ「ロリポップにチョコレート……!嬉しいです……」

○○「ありがとうございます」

ピエロ「どういたしまして。楽しい一日を!」

その後も、道すがら出会った大人たちが、次々とお菓子をプレゼントしてくれて…-。

あっという間に私達の両手は、もらったお菓子でいっぱいになった。

ロルフ「お菓子がこんなにたくさん……」

幸せそうな顔で満面の笑みを浮かべながら、ロルフ君が私のことを見上げる。

そこで初めて、私はあることに気づいた。

(前に会ったときより、ロルフ君の視線が近い……?)

私より背が低いのは変わらないけれど、ロルフ君は以前より、ほんの少し身長が伸びたみたいだ。

ロルフ「○○ちゃん……? どうしたの……?」

○○「あ、うん、ロルフ君の背が…-」

町の人「ハッピー収穫祭! かわいい女の子達には、お菓子をオマケだよ!」

ニコニコと声をかけてきたおばさんが、私達の抱えたお菓子のてっぺんに新しい包みを置いていく。

ロルフ「……女の子達……」

○○「え……?」

ロルフ「ボク……女の子と間違えられちゃったみたいです…。 ボク……男の子なのに」

先ほどまでの笑顔は消え失せ、ロルフ君がしょんぼりと肩を落とす。

○○「ロ、ロルフ君が可愛いってことで、悪い意味じゃないと思うよ」

ロルフ「……そうでしょうか……」

それからしばらく時間を過ごした後、お菓子がいっぱいになってしまった私達は、城へ戻ることにしたのだけれど……

ロルフ君は帰り道も、まだ少し落ち込んでいるようだった…-。

 

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