収穫祭用の衣装のヒントを求め、私とロルフ君は城の図書室へとやって来た…-。
古書の匂いのする図書室は他に人気もなく、まどろむような日差しの中で静まり返っている。
ロルフ「図書室って静かだから、ボク好きなんです……」
○○「うん、落ち着くね」
私達は、さっそく資料探しに取りかかった。
(冒険ものとかがいいかな)
上の方にある本を取るため、本棚に掛けられたハシゴに足をかける。
ロルフ「○○ちゃん、だめですっ……そのハシゴ壊れてますっ……」
○○「え……?」
ロルフ君の慌てた声に振り返った瞬間……
足を乗せている板がガクンと外れた。
○○「……っ!」
バランスを崩し床の上に落下した私は、何かを押し潰した感触を覚えて…-。
ロルフ「……うぅっ……」
○○「ロルフ君……!?」
私の身体の下で、ロルフ君がうめき声をこぼす。
慌てて横に飛びのいて、ロルフ君の顔を覗き込む。
ロルフ「ごめんなさい……ハシゴが壊れてるって言い忘れちゃって……」
○○「ううん……痛かったでしょう?」
ロルフ「……平気です、それよりも……」
ロルフ君が、きゅっと唇を引き結ぶ。
ロルフ「……ほんとはちゃんと、受け止めたかったんです。……それなのに力が弱いせいで……」
身体を起こしたロルフ君は、しゅんとうなだれてしまう。
○○「気にしないで、私が不注意だったんだから」
ロルフ「でもボク、男の子だから……○○ちゃんを、しっかり守れるようになりたいです……」
○○「ロルフ君……ありがとう……」
ロルフ「ボク、がんばります……」
小さな拳を作って、ロルフ君は可愛らしい表情を引き締めた。
照れ合いながら笑い合う私達の声が、図書室に優しく響き渡った…-。