ビッキー「……まさか。 だって、ケロタはいつだって呪いを恨んでいて……」
ビッキーさんは、自分に言い聞かせるようにそうつぶやく。
私は彼の手を取り、ぎゅっと力を込めた。
〇〇「離れられないのと、離れないのは違います。 ビッキーさんは素敵な人です。 どうして自分を……ケロタを、信じないんですか?」
ビッキー「……!」
ビッキーさんは驚いたように目を見開き……やがて部屋の外へと視線を向ける。
ビッキー「ケロタ……。 ケロタ、いるんだろ?」
ケロタ「……なんだよ、バカビッキー」
静かだった部屋の外から声がして、ドアの外からぴょこりとケロタが顔を覗かせた。
〇〇「!」
ビッキーさんは、静かにケロタの方へと歩み寄っていく。
やがてケロタの前で立ち止まると、そっと床に膝をついた。
ビッキー「……ずっと、聞くのが怖かったんだ。 僕……呪いが消えても、君に会える? さよならは……したくないんだ」
(ビッキーさん……!)
声は震えていたけれど……ビッキーさんはまっすぐにケロタを見つめている。
ケロタは大きく息を吐くと、わざとらしく腕組みをした。
ケロタ「いつになったら気づくのかと待ってたんだが……。 ビッキー、オマエのウジウジにはもうウンザリだ。 会いたければ、いつだって会える。 呪いがなくなっても、ワシとオマエは友達だろうが」
ビッキー「ケロタ……!」
ビッキーさんが微笑んだ、その瞬間……
まばゆい光が二人を包み込んだ…-。