お茶会での会話も弾み、沈んだ心も軽くなった頃…―。
回廊に続く中庭の入り口に、人影が見えた。
○○「……シャオさん!」
(お仕事はもう終わったのかな?)
私が気づくと、彼もこちらに気づいて、大股で歩いてきた。
シャオ「……」
久しぶりに間近で見たシャオさんは、眉をわずかにひそめているようだった。
○○「シャオさん、あの…―」
会いたかった人が、目の前にいるのに……
私はしどろもどろにしか、言葉を紡ぐことしかできない。
すると…―。
シャオ「○○さん、今日こそは二人の時間を過ごしましょうか?」
シャオさんが、柔らかく私に笑いかける。
○○「え……でも、お仕事は…―」
シャオ「そんなのとっくに終わらせちゃいましたよ!」
得意げに笑って、シャオさんは人に囲まれている私の手を取った。
○○「シャオさん!?」
シャオ「ほんと、みんなこの城の者達は○○さんが好きなんですから……」
少し頬を膨らませながら、シャオさんが拗ねたような声を出す。
シャオ「少し分からせてあげないと、ダメみたいですね。 ○○さん、あなた自身にもね?」
○○「……!」
急に耳元に寄せた唇でそう囁かれて、私の心臓が騒ぎ出した。
シャオ「さあ、行きますよ!」
○○「えっ、ま、待ってください!」
途端にお茶会の席がざわつき始める。
シャオさんは私の手を引き、その場から私を連れ出した…―。