…
奉納の儀が終わって、数日後…―。
シャオは自室でひとり自責の念にかられていた。
シャオ「私の考えが甘かったのですよね……」
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あの奉納の儀の夜…―。
舞をまうシャオの視界の隅に入ったのは、観覧席で自身のつけた従者の男と顔を近づけて仲睦まじく話している○○の姿だった。
シャオ「考えてみれば簡単なことだったんですよね。あんなに純粋で……。 なんにでも喜んでくれるような子が、他の男達の目に魅力的に映らないわけがないんですから。 なのに……」
遠い空を見て、シャオはため息をつく。
シャオ「あの子の魅力に気づいていながら、わたしはずっと放置していた……。 公務だ舞の練習だと、ろくにあの子を構ってもやらずに……。 今日だって…―」
遠い街の視察に向かったシャオが、城に帰ってきたのは夜半過ぎだった。
気づけば、○○と場内ですれ違っても一言二言の会話をするだけになっていた。
シャオ「私はどうするべきなんでしょう……」
小さく囁かれた悩みは、夜の闇に吸い込まれるように消えてしまった…―。