私はシャオさんの部屋の前まで来ると、恐る恐る扉をノックした。
すると……
シャオ「はい?」
少し不機嫌そうな、彼の声が聞こえてくる。
ゆっくりと、扉を開くと……
シャオ「……○○さん!?」
シャオさんは私の顔を見て、驚いているようだった。
○○「あの、シャオさん、私あなたに謝りたいことがあるんです……」
すると彼は、きょとんとした様子で私を見つめる。
シャオ「○○さんが?謝るのはむしろわたしの方ですよ」
○○「え?」
シャオ「え……?」
私達は顔を見合わせて、しばらくお互いの言葉を待つ。
けれどそのうちに……どちらからともなく堰を切ったように言葉があふれてきて…―。
シャオ「――えっとつまり、わたしの舞が、○○さんを、萎縮させてしまったと」
○○「シャオさんは、私があの従者さんに儀式の解説をしてもらっていたことを……その……」
その先を言い淀むと、シャオさんの瞳が安心したように細められる。
シャオ「……そう。お恥ずかしながら……ふふ、おかしいですね!」
○○「はい……っ」
シャオ「私達は、お互いが勝手なことを思い込んでいたようですねえ。お互いのことを想っていたのに」
私達はそのまま、ふたりで頬を染めて笑い合ったのだった…―。