シャオは自室の長椅子に腰かけながら、浮かない顔で外を見ていた。
シャオ「わたしとしたことが……」
深いため息をひとつ吐いて、ふと壁にかけてあるカレンダーに目を留める。
シャオ「あれからもう三日も……。やっぱり大人気なかったですよね、あんな態度をとるなんて……」
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あの日…―。
シャオは人々に気づかれないように、舞台から○○の姿を探していた。
従者の男『よろしければ私がシャオ様に代わり、この儀式の解説をいたしましょうか?』
○○『えっ?』
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○○が自分の従者と二人で話していたことを思い出し、シャオは難しい顔をした。
シャオ「これじゃ、完璧にわたしのヤキモチですね……従者相手に嫉妬してるようじゃ……わたしもまだまだだなぁ」
ふっと切なげな吐息が、窓辺から入ってきたそよ風に紛れる。
シャオ「それにしても、わたしはいつの間にあの子に、こんなに惹かれていたんでしょう……こうして姿を思い描くだけで……心が清らかな川の流れで洗われるように感じるなんて……○○さん……」
しばらくシャオはそのまま窓の外を見ていた。
何か思いを巡らすように、すらっとした顎に指先が添えられる。
シャオ「さて……過ぎてしまったことは仕方がないとして、これからどうしたものでしょうね……」
そしてまた、物憂げなため息が吐き出される。
その時…―。
部屋の扉をノックする音が聞こえた。
シャオ「はい?」
扉がゆっくりと開かれて、視線をそちらへ向けたシャオの目に飛び込んできたのは…―。
シャオ「……○○さん!?」
今しがたシャオが気持ちを向けていた、○○だった…―。