月5話 究極の美食への招待

ネペンテスさんに闇市にあるレストランに連れてこられたものの

どうにも気分が優れない……

〇〇「……う」

ネペンテス「大丈夫ですか!?」

出された料理の詳細を知り、口元を押さえた私を見て、彼が駆け寄る。

ネペンテス「申し訳ございませんでした、あなた様に不快な思いをさせて…―」

彼は目を伏せて、心よりすまなそうにしている。

(確かに料理はおいしかったし、ネペンテスさんに悪気はないけど……)

私は胃から込み上げてくるものを必死に抑え、彼に向かって微笑んだ。

〇〇「だ、大丈夫です、少し驚いただけですから……」

すると、ネペンテスさんの瞳が輝きをたたえる。

ネペンテス「ああ……やはりあなた様は理解の深いお方……!」

〇〇「え?」

ネペンテスさんは急に私の手を両手で包み込むと、感極まったように声を出した。

ネペンテス「私も、あなた様の心意気に報いなければ……。 どうか、私のとっておきをご賞味いただきたい!」

〇〇「は、はい……」

(どうしよう……)

(つい頷いてしまったけれど、もしまた今日のような料理を出されたら……)

胸の中に募る不安を抱きながら、私は恍惚な表情を浮かべる彼を見つめることしかできなかった…―。

 

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