ネペンテスさんに闇市にあるレストランに連れてこられたものの
どうにも気分が優れない……
〇〇「……う」
ネペンテス「大丈夫ですか!?」
出された料理の詳細を知り、口元を押さえた私を見て、彼が駆け寄る。
ネペンテス「申し訳ございませんでした、あなた様に不快な思いをさせて…―」
彼は目を伏せて、心よりすまなそうにしている。
(確かに料理はおいしかったし、ネペンテスさんに悪気はないけど……)
私は胃から込み上げてくるものを必死に抑え、彼に向かって微笑んだ。
〇〇「だ、大丈夫です、少し驚いただけですから……」
すると、ネペンテスさんの瞳が輝きをたたえる。
ネペンテス「ああ……やはりあなた様は理解の深いお方……!」
〇〇「え?」
ネペンテスさんは急に私の手を両手で包み込むと、感極まったように声を出した。
ネペンテス「私も、あなた様の心意気に報いなければ……。 どうか、私のとっておきをご賞味いただきたい!」
〇〇「は、はい……」
(どうしよう……)
(つい頷いてしまったけれど、もしまた今日のような料理を出されたら……)
胸の中に募る不安を抱きながら、私は恍惚な表情を浮かべる彼を見つめることしかできなかった…―。