ソリテュードベリー探しに疲れた私達は…―。
森の片隅で昼食をとることにした。
ソルベージュさんが手渡してくれたバケットサンドはとても美味しい。
だけど……
○○「あの、ソルベージュさんは……本当にアイス屋さんになりたいんですか?」
ソルベージュ「うん?いきなりどうしたんだい?」
彼は健やかな笑顔で、私に対して首を傾げる。
なんの憂いもない様子に一瞬言葉をためらったものの……
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宰相アルマン「心配でございます……あのような言動の方なので、他人からは誤解されることも多いのですが、心根はお優しく、ご立派な王子なのですよ」
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○○「私は、ソルベージュさんが王子であることを皆さんが望んでいると思うんですが……」
ソルベージュ「……」
バケットから口を離して、彼は少しだけ寂しそうな顔をした。
ソルベージュ「……そうかな?そう思っているのは君だけかもしれないよ。それほどにアルマンは優秀なんだ。彼がいればソリテュードは安泰……僕の実の母ですら、きっとそう思っているよ……」
○○「そんな……」
これまでの明るさがそっと剥げ落ちた言葉に、彼の本音が見えた気がした。
しかし彼は、自らの言葉を跳ねのけるように、わざとらしく明るく振る舞う。
ソルベージュ「いや、そもそもこの僕がわざわざやるようなことではなかったのさ……!僕は神に選ばれし存在なんだから……あの場所に、必要とされていないのなら……」
しかし言葉から徐々に勢いが抜けていくと、彼は小さくため息をつく。
(この感じ、街で酔いつぶれてた時と同じだ……)
ソルベージュさんは苦笑して、どこか遠い所を眺めるような顔をした。
ソルベージュ「こういう時こそ、お酒が欲しいね……この虚ろな寂しさに僕は一人で耐える自信がないよ……」
(ソルベージュさん……)
私は、落ち込む彼に……
○○「でも、今は一人じゃないですよ?」
ソルベージュ「○○……?」
私の言葉に、ソルベージュさんのミント色の瞳が揺らいだ。
ソルベージュ「その言葉を、僕はどう受け取ればよいのかな……?」
○○「えっ……」
視線が絡み合う……
○○「それは……」
ソルベージュ「その言葉の先を、僕は知りたいな……?」
ソルベージュさんが、私との距離をそっと詰める。
(む……胸が、ドキドキして……)
穏やかな沈黙に、胸元へ手を添えると……彼の繊細な指先が、そっと私の顔に伸ばされた…―。