ジェラルド「実は僕、命に関わるようなレベルで・・・・・・すごく運動音痴なんです」
思いもよらなかった、ジェリーの悩み・・・・・・
ジェラルド「・・・・・・」
ジェリーは憂鬱そうな瞳を、窓に向けている。
○○「あの・・・―。 では、これからもアクション俳優としては・・・・・・?」
ジェラルド「・・・・・・」
私の問いかけに、ジェリーは苦しそうに表情を歪める。
ジェラルド「やってみたいと、思うんです。 けれど・・・・・・皆に迷惑をかけるようなことになったらと思うと、自信がなくて」
○○「・・・・・・」
切実なジェリーの言葉に、私は・・・―。
○○「では、一度お忍びでトレーニングをしてみてはいかがでしょう?」
ジェラルド「トレーニング・・・・・・?」
ジェリーの綺麗な瞳が、驚きに見開かれる。
○○「はい。きっと今までそういう機会も時間もなかったのかなって・・・・・・」
ジェラルド「でも・・・・・・」
○○「やってみないと、わからないこともあると思うんです・・・・・・私にも、お手伝いさせてください」
にこりと、ジェリーに笑いかける。
すると・・・・・・
ジェラルド「ありがとう、○○。僕、やってみます!」
勢い良く立ち上がり、手のひらをぎゅっと握りしめた。
○○「ジェ、ジェリー・・・・・・落ち着いて」
周りの目を気にして、ジェリーをなんとか落ち着かせる。
けれど意気込むジェリーの姿に、私も彼を応援したいと、心からそう思った・・・―。
・・・
・・・・・・
それから・・・・・・
城のホールで、ジェリーのトレーニングが始まった。
○○「ジェリー!頑張ってください、まだまだですよ」
私も手伝いのため、トレーニングの時間は彼の元を訪れていた。
ジェラルド「うう・・・・・・もう・・・・・無理です、少し休まないと・・・・・・」
走り込みを開始するも、ものの5分で足を挫き、筋肉トレーニングをすれば、肩の関節を外しかける・・・・・・
(これは、考えていた以上かも・・・・・・)
もし大きな怪我をするようなことになったら、大変なことになる。
無理をせず今の恋愛映画メインの路線を続けた方がいいんじゃないかと、私も不安を感じ始めた頃・・・―。
彼の元に、一つのオファーが舞い込んで来たのだった・・・―。