月5話 苦情

ネペンテスさんと二人で、熱中しておばけカボチャハウスを作り続けているうちに、いつしか日は落ち、空には星が瞬き始めていた。

(いつの間に日が暮れたんだろう……)

隣を見れば、未だ一生懸命手を動かすネペンテスさんの姿がある。

初めて見るような必死な顔は、はっとするほど輝いて見えた……

ネペンテス「これは、難しい配合で……」

と、その時…―。

おばけカボチャハウスの入口を、激しく叩く音がした。

ネペンテス「……何事でしょうか」

邪魔をされたネペンテスさんは、明らかに不機嫌な顔をする。

するとそこには、一人の兵士が立っていた。

兵士「大変恐縮ですが……市民から苦情が出ています。こんなに大きくて気持ちの悪いものを見たくないと」

(え……そんな)

ネペンテスさんも、ぎゅっと眉根を寄せて難しい顔になってしまった……

 

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