私の蝶が、グウィードさんの元へと飛んでいく。
(もしかして……)
ひらひらと舞う蝶を見つめながら、期待で胸が膨らんでいく。
けれど…―。
(あ……)
蝶はグウィードさんを通り越して、後ろに立っている男の人の方へ飛んでいく。
彼からも、私の蝶と同じ蝶が飛び上がった。
○○「ダンスの……お相手の方……」
二匹の蝶が楽しそうに舞い踊るのとは反対に、私の気分は沈んでいく。
パートナー「お相手をお願いできますか?」
男の人が、私に手を差し出してくれる。
けれど私は、その手を取ることをためらってしまう。
(グウィードさんが見ている前で、私……)
グウィード「行っておいで、子猫ちゃん」
私の背中を押したのは、グウィードさんだった。
○○「はい……」
彼に言われるまま、私は男の人の手を取った。
胸に鈍い痛みが広がっていった…―。