飛鳥さんと別れた後・・・-。
さっきの藤目さんの態度を思い返しながら、私は市場にやってきていた。
(嫉妬・・・・・・)
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藤目『・・・・・・貴方の運命の人はその方なのでしょう。ならば、それを邪魔するわけにはいきませんね。 人の恋路を邪魔するものはなんとやらと・・・・・・言いますからね』
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(笑顔だったし・・・・・・きっと嫉妬なんてしてないと思うけど)
けれど、拒絶するように向けられた彼の背を思いだすと、胸が締めつけられた。
(・・・・・・藤目さん、オムライスが食べたいって言ってたよね)
彼に会いたい気持ちが募り、私はそのことを口実に新鮮な卵を購入する。
そして、藤目さんが宿泊している部屋へと向かったのだった・・・-。
○○「藤目さん、○○です」
声をかけると、少しだけ扉が開かれ藤目さんが顔を出す。
けれど・・・-。
藤目「・・・・・・お引取りください」
扉はすぐに閉められてしまった。
(えっ・・・・・・?)
○○「藤目さん!?」
扉を何度か叩いてみるけれど、藤目さんは何も反応してくれない。
(・・・・・・どうしよう)
彼にはっきりと拒絶されたという事実が辛くて、次の瞬間には口を開いていた。
○○「市場で新鮮な卵を売っていたんです。藤目さんにオムライスを作りたいと思って・・・・・・!」
ズキズキと痛む胸を押さえながら、必死でそう話しかけると・・・-。
藤目「ああ・・・・・・そうでした」
再び扉がゆっくりと開かれ、怖い顔をした藤目さんが現れた。
藤目「私が貴方に・・・・・・お世話を頼んだのでしたね」
藤目さんは、私と視線を合わさないままそこに立ち尽くしていた・・・-。