トルマリの穏やかなその表情が、私の中の淀みを綺麗に流してくれる。
(なんだか、トルマリに助けてもらってばっかりだ)
その時、不意にトルマリの手が私の頬を包んだ。
トルマリ「……〇〇に可愛いって言ってもらえるの、すっごく嬉しいんだけど」
ふと、トルマリの視線にいつもと違う光を感じる。
トルマリ「……それだけじゃ、嫌だな」
〇〇「え?」
トルマリ「ぼく、男の子なんだよ」
トルマリの手の熱が、頬に伝わってくる。
(トルマリは、男の子……)
そう思った瞬間、全身が熱くなるのを感じた。
トルマリ「さ、お城へ行こうか」
〇〇「う、うん」
トルマリは手を私の頬から離し、すっと立ち上がった。
頬に手をやると、トルマリの手の熱がまだそこに残されていた…-。