第1話 目覚めた王女

黄金色の美しい髪が、朝の光を浴びてきらきらと光っている…-。

(あれ?)

王子様を目覚めさせたつもりだったけれど……

私の目の前にいるのは、可愛らしいワンピースに身を包んだ女の子だった。

(王女様なのかな?)

驚きながらも、彼女ににっこりと笑いかける。

トルマリ「きみが起こしてくれたの? ありがとう!」

無邪気な笑顔が、とてもまぶしい。

(可愛い……)

トルマリ「ぼく、トルマリ!」

(ぼく?)

トルマリ「あなたのお名前は?」

〇〇「私は、〇〇です」

トルマリ「〇〇、よろしくね!」

〇〇「よろしくお願いします」

(可愛い王女様だなぁ……)

トルマリさんは、可憐な顔を気さくに崩して笑う。

見つめていると、しきりと頭を触り、何かを気にしている。

トルマリ「あーあ、髪型崩れちゃったかな?」

トルマリさんの美しいブロンドは、一筋の乱れもなく整えられている。

〇〇「大丈夫ですよ」

トルマリ「本当? 変じゃない?」

〇〇「はい、ツインテール、すごく似合ってます」

トルマリ「よかった。ありがとう! それより、トルマリって呼んで?それに、敬語もなし」

〇〇「え?」

トルマリ「いいでしょ? 仲良し、仲良しっ」

〇〇「じゃあ、トルマリ」

ぎゅっと手を握られて、その意外な力強さに少し驚く。

無邪気な笑顔に、私も思わず笑顔を返した…-。

 

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