月6話 お寝坊さん

ー----

ベウル「春になったら、また会いに来て欲しい」

ー----

季節が巡り、アベルディアの花々の蕾がひらく頃…―。

私は、再びアベルディアに訪れていた。

ベウルの弟「お姫様、いらっしゃい!」

ベウルの妹「会えるの楽しみだったよ!」

以前、訪れたときと同じように、ベウルさんの小さな弟さん達が廊下の向こうから駆けてくる。

○○「皆、元気だった?あの……ベウルさんは?」

私の質問を聞いて、子ども達が顔を見合わせる。

ベウルの弟「お兄ちゃん、まだ寝てるんだ……」

ベウルの妹「いつも、お寝坊さんなの!」

ベウルの弟「ねえねえ、お姫様。お兄ちゃんを起こすの手伝って!」

ベウルの妹「ええー!だめだよ。お兄ちゃん怖いもん!お姫様、びっくりしちゃうよぉ」

(怖い?……ベウルさんが?)

私は首を傾げながら、弟さん達と一緒にベウルさんの寝室へ向かった…―。

 

<<第5話||<<太陽SS||月7話>>