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ベウル「春になったら、また会いに来て欲しい」
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季節が巡り、アベルディアの花々の蕾がひらく頃…―。
私は、再びアベルディアに訪れていた。
ベウルの弟「お姫様、いらっしゃい!」
ベウルの妹「会えるの楽しみだったよ!」
以前、訪れたときと同じように、ベウルさんの小さな弟さん達が廊下の向こうから駆けてくる。
○○「皆、元気だった?あの……ベウルさんは?」
私の質問を聞いて、子ども達が顔を見合わせる。
ベウルの弟「お兄ちゃん、まだ寝てるんだ……」
ベウルの妹「いつも、お寝坊さんなの!」
ベウルの弟「ねえねえ、お姫様。お兄ちゃんを起こすの手伝って!」
ベウルの妹「ええー!だめだよ。お兄ちゃん怖いもん!お姫様、びっくりしちゃうよぉ」
(怖い?……ベウルさんが?)
私は首を傾げながら、弟さん達と一緒にベウルさんの寝室へ向かった…―。