突然の豪雨と嵐に、ロッソさんと私は部屋から飛び出した。
穏やかな景色は一変し、海は大しけだった。
激しい雨の中、空が何度も光る度に轟音が響く。
船員1「帆を下ろせーっ! 船が倒れるぞ!」
船員2「舵がきかねえっ!!」
船員3「ロッソ様っ! ロッソ船長! どうすれば・・・・・・っ!?」
先ほどの凪いだ海とは真逆の光景に、驚いて声も出ない。
ロッソ「っく・・・・・・なぜ、潮を見誤った。俺としたことが・・・・・・!」
○○「っ・・・・・・」
ロッソさんが悔しげに、船の柱を拳で殴りつけた。
けれどすぐに・・・―。
ロッソ「船を立て直す! 操縦は俺が! それから積み荷を捨てろ!!」
船員達「はいっ!」
○○「ロッソさん、私にも何かできることがあれば・・・・・・!」
その瞬間だった。
○○「っ・・・・・・!」
巨大な波が目の端に入ったかと思えば、どーん、と激しい衝撃を受け、大きく船体が傾いて・・・・・・
ロッソ「○○・・・・・・!」
スローモーションのように、体が傾く。
(落ちる・・・・・・!)
その時、視界に入ってきたのは・・・・・・
私に向かってめいっぱいに伸ばされた、ロッソさんの大きな手だった・・・―。