アケディアくんは、ベッドの中から従者さん達に指示を出し続け・・・-。
従者1「アケディア様、ありがとうございました」
無事に決議が取られ、従者さん達の口から安堵のため息がこぼれた。
従者2「ごゆっくり、お休みくださいませ」
従者さん達は深々と頭を下げると、部屋を出て行った。
アケディ「あー、慣れないことしたから疲れちゃった」
アケディアくんは大きなあくびをすると、ベッドの中にもぐりこんでしまう。
(ベッドの上で決議するなんて・・・・・・アケディアくんしかできないだろうな)
○○「お疲れ様、アケディアくん」
ベッドにもぐり込んでいるアケディアくんに声をかけると・・・-。
○○「・・・・・・あっ!」
伸びてきた手に、私は強く抱き寄せられた。
その勢いに驚き、私は小さく声をあげる。
(びっくりした・・・・・・)
アケディア「ねえ、ぼくかっこよかった?」
アケディアくんは、潤んだ瞳で上目遣いに私を見つめる。
(か、かわいい・・・・・・)
胸の奥がぎゅっと締めつけられ、愛おしさが込み上げた。
(いつもはのんびりしている時間に、頑張って働いたんだもんね・・・・・・)
○○「うん、かっこよかった」
アケディア「じゃあ、頭を撫でて」
○○「あっ・・・・・・うん、いいよ・・・・・・」
戸惑いつつ、アケディアくんの髪にそっと触れると・・・・・・
(あれっ・・・・・・熱い?)
アケディアくんの額はとても熱く、頬も微かに上気しているように見える。
○○「アケディアくん、もしかして熱がある?」
アケディア「そう? ああ、でも・・・・・・なんだか体がいつもよりだるい・・・・・・仕事なんか・・・・・・しちゃったからかな」
アケディアくんの頬は、どんどん赤みを増していく。
○○「アケディアくん、冷やすものを持ってくるね」
部屋を出て行こうとすると、アケディアくんは力なく私の服の裾を掴んだ。
アケディア「○○ちゃん、傍にいてくれなきゃ・・・・・・いやだよ・・・・・・」
彼の息遣いが、荒くなっているのがわかる。
○○「でも、このままだと熱が・・・・・・」
アケディア「大丈夫。メイドに・・・・・・持ってこさせる」
アケディアくんが呼び鈴を鳴らすと、すぐにメイドさんがやってきた。
メイド「失礼致します。いかがなさいましたか?」
○○「あの、アケディアくんが熱があるみたいで・・・・・・」
メイド「アケディア様、大丈夫ですか!?今すぐ看病を・・・・・・」
アケディア「看病は・・・・・・○○ちゃんにしてもらいたい。きみ達は・・・・・・用意だけしてくれればいい」
アケディアくんは、私の袖を握りしめて離そうとしない。
メイド「ですが……」
メイドさんは、申し訳なさそうに私の方に視線を移す。
○○「私なら大丈夫です。アケディアくんが治るまで傍にいます」
メイド「申し訳ありません……では、よろしくお願い致します」
メイドさんは、水枕や食事の用意を手早くすると、頭を下げて立ち去っていった。
アケディア「○○ちゃん、ご飯フーフーして食べさせてね」
アケディアくんは、二人きりになるなり熱にかすれた声でそんなことを言う。
○○「うん、いいよ」
アケディア「ぼくが寝てる間も、この部屋にいてくれなきゃ……やだよ」
○○「うん、大丈夫。ずっと傍にいるよ」
約束をすると、アケディアくんは安心したように眠りに落ちた。
汗の浮かんだ額を拭くと、指先をアケディアくんの手に握られる。
(かわいい……)
(早く治るといいな……)
水枕に変えてあげると、アケディアくんは気持ちよさそうに微笑む。
熱を持った彼の頭を撫でながら、私はすぐ傍で見守り続けた…-。