翌日・・・-。
城で大きな会議が行われるため、メイドさん達はおもてなしの準備に大忙しだった。
メイドさんに代わって、私はアケディアくんの部屋へと朝食を持っていこうとすると・・・-。
アケディア「おはよう、○○ちゃん」
アケディアくんが向かいから歩いてきた。
○○「ア、アケディアくん!?」
アケディア「たまには○○ちゃんと一緒に食事をしようと思って」
(アケディアくんが進んで部屋から出てくるなんて・・・・・・どうしたのかな?)
二人で並んで朝食を食べていると・・・-。
アケディア「はー・・・・・・」
持っていたフォークを置いて、アケディアくんは深いため息を吐いた。
○○「どうしたの?」
アケディア「うーん・・・・・・食べるのに、疲れた・・・・・・。 ねえ、○○ちゃん。食べさせて」
○○「えっ!?」
アケディアくんは口を開けて待っている。
○○「いいよ。どれ食べたい?」
アケディア「ポテトが食べたいな」
ポテトを食べさせてあげると、アケディアくんは満足そうに口を動かした。
アケディア「うん、自分で食べるよりおいしい」
彼の力の抜けた笑顔を見ていると、心の奥が温かくなっていく。
二人の間に流れるこの瞬間を、私は心地良く感じた。
・・・
・・・・・・
そして朝食を終える頃・・・-。
??「このままでは、会議までに意見がまとまらない・・・・・・」
廊下の外で、男性の大きな声が聞こえてくる。
(どうしたのかな?)
廊下を出ると、従者さん達が難しい顔をして言い合いをしている。
従者1「しかし、あの法案はこの前撤回されたばかりでは・・・・・・」
従者「いや、撤回すべきではない!」
(会議のお話かな?)
会議を目前にして、内部での意見が割れてしまっているようだった。
アケディア「・・・・・・」
アケディアくんは、その横をすり抜けるように歩いていく。
従者1「アケディア様、お待ちください。会議のご意見をいただきたいのですが・・・・・・」
アケディア「うーん。ぼくは皆を信頼してる。だから、今まで通り自由に決めて」
従者2「しかし、今回ばかりは・・・・・・」
従者さんの言葉は最後まで聞かず、アケディアくんは部屋へと歩いて行ってしまう。
困っている従者さん達を気にしながらも、私は彼の背中を追った。
アケディア「あー、お腹いっぱい」
部屋に入るなり、アケディアくんはベッドに飛び込んでくつろぎはじめる。
部屋の外では、まだ従者さん達の言い争う声が聞こえていた。
○○「アケディアくん・・・・・・会議に参加しなくて大丈夫なの?」
アケディア「うーん。○○ちゃんはどう思う?」
アケディアくんは、天井を見つめたままぽつりとつぶやく。
アケディア「うーん、質問かえよっかな。頑張ってるぼくって、どう思う?」
(頑張っている、アケディアくん)
アケディアくんは私をじっと見て、答えを待ち焦がれている。
(もし、アケディアくんがきびきびと動いていたら・・・・・・)
○○「そうだね・・・・・・かっこいいと思う」
その瞬間、彼の瞳に一筋の光が射したのがわかった・・・-。