第1話 読めない手紙

罪過の国・ヴォタリア 奏の月・・・-。

数日前のこと・・・-。

アケディア王子から届いた手紙に、私は頭を悩ませていた。

(これは・・・・・・)

私は手元にある手紙を見つめ、もう一度読み直す。

(『お礼、しろ※、き☆△』・・・・・・)

書かれている字は形を成さず、途中で読めない状態になっている。

(すべてをきちんと読めないけど・・・・・・これは、お城に来てってことだよね?)

手紙を畳み直すと、私はアケディア王子がいる城へと向かう準備を始めた・・・-。

罪過の国は、薄い霧に包まれた地だった。

罪を犯した人々がその罪を償うための流刑地・・・-。

罪過の国にある7つの巨大監獄は、それぞれ7つの罪過を犯した罪人を収容しているらしい。

(お昼なのに薄暗い・・・・・・少し怖いな)

暗くて静かな道を、私は足早に歩いた。

城に到着すると、メイドさんが気まずそうに言葉を濁す。

従者「○○様、お待ちしておりました! あの、すみません・・・・・・アケディア王子は今・・・・・・」

○○「?」

メイド「どうぞ、お部屋まで・・・・・・」

メイドさんに促されて、アケディア王子の部屋まで行くと・・・-。

従者「アケディア様! トロイメアの姫様がいらっしゃいましたよ!」

部屋の中から大きな声が聞こえてきたと思うと、扉が勢いよく開かれる。

??「Zzz・・・・・・」

○○「・・・・・・!!」

従者さんに引きずられた状態で、アケディアくんが部屋から出てきた。

そんな状態でも、アケディアくんは寝たままで・・・-。

○○「アケディアくん・・・・・・?」

私の声に反応して、アケディアくんは大きく目を開ける。

アケディア「・・・・・・○○ちゃん?」

私を見て嬉しそうに微笑んだのも束の間・・・-。

大きく見開かれた目は閉じていき、アケディアくんは再び眠り込んでしまった。

従者「アケディア様っっ、起きてください!」

従者さんの声が、城中に響き渡る。

(従者さんの声でも起きない・・・・・・!?)

その後、いくら従者さんが呼びかけても、アケディアくんの体を揺り動かしても・・・・・・

彼は気持ちよさそうに、眠ったままだった・・・-。

 

第2話>>