罪過の国・ヴォタリア 奏の月・・・-。
数日前のこと・・・-。
アケディア王子から届いた手紙に、私は頭を悩ませていた。
(これは・・・・・・)
私は手元にある手紙を見つめ、もう一度読み直す。
(『お礼、しろ※、き☆△』・・・・・・)
書かれている字は形を成さず、途中で読めない状態になっている。
(すべてをきちんと読めないけど・・・・・・これは、お城に来てってことだよね?)
手紙を畳み直すと、私はアケディア王子がいる城へと向かう準備を始めた・・・-。
罪過の国は、薄い霧に包まれた地だった。
罪を犯した人々がその罪を償うための流刑地・・・-。
罪過の国にある7つの巨大監獄は、それぞれ7つの罪過を犯した罪人を収容しているらしい。
(お昼なのに薄暗い・・・・・・少し怖いな)
暗くて静かな道を、私は足早に歩いた。
城に到着すると、メイドさんが気まずそうに言葉を濁す。
従者「○○様、お待ちしておりました! あの、すみません・・・・・・アケディア王子は今・・・・・・」
○○「?」
メイド「どうぞ、お部屋まで・・・・・・」
メイドさんに促されて、アケディア王子の部屋まで行くと・・・-。
従者「アケディア様! トロイメアの姫様がいらっしゃいましたよ!」
部屋の中から大きな声が聞こえてきたと思うと、扉が勢いよく開かれる。
??「Zzz・・・・・・」
○○「・・・・・・!!」
従者さんに引きずられた状態で、アケディアくんが部屋から出てきた。
そんな状態でも、アケディアくんは寝たままで・・・-。
○○「アケディアくん・・・・・・?」
私の声に反応して、アケディアくんは大きく目を開ける。
アケディア「・・・・・・○○ちゃん?」
私を見て嬉しそうに微笑んだのも束の間・・・-。
大きく見開かれた目は閉じていき、アケディアくんは再び眠り込んでしまった。
従者「アケディア様っっ、起きてください!」
従者さんの声が、城中に響き渡る。
(従者さんの声でも起きない・・・・・・!?)
その後、いくら従者さんが呼びかけても、アケディアくんの体を揺り動かしても・・・・・・
彼は気持ちよさそうに、眠ったままだった・・・-。