オレンジ色の夕陽を背に受けて、恋人の二人が幸せそうに肩を寄せ合う。
女性「これで望まない結婚をせずに済みます」
男性「本当にありがとうございました……!」
〇〇「どうかお幸せに」
幸せそうな二人を見送り、安堵の息を吐く。
(これで、二人の願いは叶った……)
〇〇「……シュテルさんはすごいですね」
そうぽつりとこぼすと、シュテルさんは意外そうに問い返す。
シュテル「どうしてそう思う?」
〇〇「シュテルさんは、鏡を直すという願いを叶えることで、二人が結ばれたいという、本当の願いまで叶えてしまいました」
シュテル「ああ……そういうことになるか」
気づいたシュテルさんが、ふっと柔らかく微笑む。
彼の優しい心が伝わって、胸が甘く締めつけられた。
(シュテルさんが、その命と引き換えに叶えた願い…―)
幸せそうに寄り添う後ろ姿を見送りながら、二人の幸せを願わずにいられなかった…-。