女性「本当になんとお礼を言っていいか……」
男性「このご恩は一生忘れません」
二人は何度もシュテルさんにお礼を告げ、仲睦まじく寄り添いながら神殿を後にした。
(そうだ……)
二人を見送った後、私はシュテルさんの横顔に問いかける。
〇〇「シュテルさん……お体は大丈夫ですか?」
シュテルさんは蒼白い顔色のまま、穏やかに微笑んでみせた。
シュテル「ああ……とてもいい気分だよ」
そうつぶやいて、シュテルさんは深く息を吐く。
シュテル「人は皆、願いを持っている。 その願いを叶えること……笑顔を見ることが僕の幸せだ」
(人の笑顔を……)
シュテルさんの優しさが、果てない星空のように私の心へ温かく広がっていく…-。
(だからこそ、シュテルさんはこんなにも綺麗で、強い人なのかもしれない)
シュテルさんが、自らの運命を受け入れているのなら……
一秒でも長く、彼の傍で同じ時を生きたいと願った…-。