レストランでの一件があった翌日…―。
昼下がりになり、暖かな陽の射す花畑へと出かけた。
○○「今日は本当にいい天気……。 やっぱり昼間はこの花畑で過ごすのが一番だね」
アルマリ「うん……」
○○「……?」
アルマリは花畑に横になって、ずっとまぶしそうに空を見上げている。
(アルマリ、昨日からずっと何か考え込んでいるような……)
彼は手を太陽にかざし、ガラスのように澄んだ色の瞳を細める。
○○「ねぇ、アルマリ?」
アルマリ「ん?」
振り向いた彼の瞳の奥には、やっぱり何か戸惑いのようなものが見える気がして…―。
○○「疲れてるなら少し休む?」
アルマリ「うーん……お昼寝するのもいいけど、僕は起きてたい。 こんなに風が気持ちいいのに、なんだか眠れないんだ」
○○「……」
アルマリの顔をじっと見つめながら、彼の言葉の続きを待つ。
すると……
アルマリ「○○、そんな顔しないで?」
○○「あ……」
白い指先が伸びてきて、私の頬を優しくくすぐる。
柔らかに微笑みかけられると、なぜだか胸が苦しくなった。
○○「アルマリ……。 えっと……風、本当に気持ちいいね」
胸が騒がせる気持ちを誤魔化すように、私は彼にかける言葉を必死に探した。
アルマリは上半身を起こし、花畑の続く広い庭園をただ眺めている。
アルマリ「いつも通りの花畑も好き……。 こうして、ほら君の笑顔も近くで見られるし……」
○○「アルマリ……」
私に向けられたアクアマリンの瞳が、陽光を反射してまばゆく煌めいた。
(まぶしい……)
アルマリ「でも……」
不意に、彼の表情が真剣さを帯びる。
いつもの柔らかさとは違うその表情に、胸トクントクンと音を立て始めた。
○○「アルマリ……」
(何を思っているの?)
彼の小さな唇が何かを迷うように何度か開閉を繰り返した後……
アルマリ「あのね、僕…―」
ようやく紡がれた声を聞き洩らすまいと、私は耳を澄ませた…―。