アルマリ「よかったら…僕と一緒に過ごさない?」
思いがけないアルマリの言葉に、胸が小さな音を立てた。
ベルボーイさんに部屋へ荷物を運んでもらった後…―。
私とアルマリはホテルのすぐ傍にある花畑へと向かった。
○○「広いね……!」
アルマリ「うん。ホテルの上層階から見ても綺麗なんだって。本当にたくさん咲いてる……」
アルマリは足元に咲いていた花を一本手折って匂いを香る。
アルマリ「とてもいい香り……城の裏手にある花畑みたい」
アルマリのいる宝石の国・マリングラスの城の近くには、こことよく似た花畑がある。
(確か、アルマリはそこでお昼寝をするのが好きで……)
彼と出会った時のことを思い出して微笑ましく思っていると……
アルマリ「○○も、ゆっくりしよう? パーティの後で、疲れてるでしょう?」
アルマリは花に包まれるように横になって、私に手を伸ばした。
その瞳はやっぱり柔らかで、私の胸に春風のような優しさを運んでくれる。
私がその場で横になろうとすると……
アルマリ「……」
○○「あっ……」
彼に指先を絡め取られて、彼のすぐ近くに寝そべる形となった。
のどかな風と花の香りが、私達の間を優しく吹き抜ける。
アルマリ「……風が気持ちいいね」
まばたきをして私の顔をすぐ近くで見つめる彼はとても幸せそうで……
(少しドキドキする……)
そっと細められたアルマリの瞳から目が離せない。
すると彼の手が私の指先を包むように握った。
○○「アルマリ……?」
アルマリ「……どうしたの?」
私の手が、アルマリの柔らかな頬に添えられる。
彼のすべらかな肌の触りと吐息を手のひらに感じた。
アルマリ「綺麗な指だね……」
小さく囁かれた声に、私はただ胸を微かに高鳴らせるばかりで……
アルマリ「今日は暖かいから、お昼寝したら気持ちよさそう。 ……少しだけ、ここで眠らない?」
○○「うん……」
小さく頷くと、彼は嬉しそうにそっと目を閉じた。
花畑を撫でる風が彼の金色のまつ毛をゆっくりと揺らす。
その光景がとても綺麗で、私は目を閉じることができなかった…―。