結界を破ろうとした賊を、煌牙様が阻止した日から数日の時が流れた。
国は平穏な日々が続いており、私は煌牙様の厚意でまだ滞在している。
煌牙「ほれ、次はおぬしの番じゃ」
◯◯「はい」
小さくて滑らかな煌牙様の手から、サイコロが手渡される。
連日雨が降っているので、私は煌牙様に誘ってもらいよく部屋遊びをしていた。
(今までしたことない遊びばかりだけど、こうして教えてもらえて一緒にできて楽しいな)
煌牙様と過ごす時間はとても楽しく、煌牙様もそう思ってくれているのか……
毎日私を部屋へ招いては、いろいろな遊びを教えてくれた。
煌牙「しかしおぬしは物覚えが良いから、たくさん遊べるの」
◯◯「だけどまだまだ煌牙様には勝てなくて……」
煌牙「もうその煌牙様というのも他人行儀じゃ。もっと親密に呼んでくれて構わぬぞ?」
くるんと愛嬌のある瞳が、楽しげに私を見つめる。
(親密にだなんて、恥ずかしいけど……)
◯◯「じゃあ……煌牙、さん……」
煌牙「うむ……今のところはそれで良しとしてやろう」
満面の笑みが、煌牙さんの顔を包んだ時だった。
従者1「た、大変です!煌牙様!!」
従者2「煌牙様……!」
慌ただしい足音が廊下に激しく響き渡った…ー。