万里くんは手にしていたカタログをまとめると深く頷いた。
万里「よし……決めました!」
○○「決めたって、何をですか……?」
万里「それは…―。 えっと、○○ちゃん。あと一日だけ私に時間をくれますか?」
○○「はい……もちろんそれは構いませんが」
(何だろう……?)
万里くんは胸を撫で下ろすと、今度は何かを思いついたかのように手を叩いた。
万里「念のためですが、甘過ぎるものとかは大丈夫ですか?」
○○「え?はい……」
万里「なら、好きな香りは何でしょう? あと特に可愛いと思うものとか」
○○「ええと……」
矢継ぎ早に万里くんは私に質問を投げ続ける。
その後、しばらく彼の問いに答えていると……
万里「……これで全部です。 じゃあ、明日を楽しみにしていてくださいね、しっかり勉強してきますから」
(……勉強?)
彼は目を緩やかに細めて意味深な笑みを浮かべたのだった…―。