万里くんはもらってきたカタログの類をまとめると顔を上げた。
万里「よし……決めました! ……アナタに渡したいものを。やっぱりあれしかない」
〇〇「え……私に?」
万里「はい! なので、あと一日だけ私に時間をくれますか?」
〇〇「万里くん……?」
万里くんは深く息を吐いて、正面から私の手を両手で握りしめた。
〇〇「万里くん、あの…-!」
突然の事態に、私の胸がどきりと音を立てる。
万里「実は前から、ずっと愛の日に君と会いたいと思っていました」
(愛の日に?)
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万里『愛の日は『贈り物を通じて想いを伝える日』と言われていて、ちょうどその日が明日なんです』
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手のひらから伝わる熱が、そのまま頬に伝わってくるようだった。
〇〇「あ、あの、確か愛の日を盛り上げようとしてるショコルーテの街は、可愛いものも多かったし…-」
ドキドキして、誤魔化すようにそんなことを言ってしまうと…-。
万里「違うんです!」
〇〇「万里くん……」
さらにきつく手を握られ、私はそれ以上何も言うことができなかった…-。