チョコレートの国・ショコルーテ 白の月…―。
昨日、この国に招待された私を待っていたのは、思ってもみない再会だった。
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万里『偶然ですね、こんなところでアナタと再び顔を合わせるなんて……。 よろしければ一緒に街を回りませんか?』
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こうして翌日…―。
私は万里くんと待ち合わせ先へと急いでいた。
(まだ時間には早いけど、万里くんのことだしもう着いてるかな?)
万里くんは、映画に関わる連合組織ビオスコープに加盟する羅漢星の王子であり、カンフーアクションスターとして、絶大な人気を誇っている。
(ファンの子達に見つかって騒ぎになってなければいいけれど……)
そんな心配をしながら待ち合わせ場所に到着すれば…―。
(万里くん、まだいないみたい。余計な心配だったかな?)
??「お待たせしました」
○○「え!?」
背後から声をかけられて振り向くと、柱の陰から万里くんが顔を出した。
万里「すみません、驚かせてしまいましたか? 街が賑わっていたようなので、少し気配を消して隠れてました」
○○「そんなことができるんですか?」
万里「ええ、アクションの基本は静と動ですから……では行きましょう」
そう口にするけれど、万里くんはどこか落ち着きのない様子で……
(どうしたのかな?)
彼の視線の先を見るけれど、街はいつもより少し賑やかなだけだった。
すると、万里くんは周りの目を気にしながら小さいなキーチャームを取り出した。
○○「これは……『ぱんだちゃん』?」
万里「はい!」
途端に万里くんの顔から精悍さが消え、ぱっと花が咲いたような笑顔になる。
ぱんだちゃんというのは、パンダをモチーフにした若い女の子達に人気のキャラクターだ。
実は万里くんは、このぱんだちゃんをはじめ、可愛いものが大好きで…―。
万里「アナタに手土産をと思って。これこの前出たばかりの新作なんです」
(そっか……万里くん、相変わらず可愛いものが大好きなんだ)
万里「……可愛くないですか?」
○○「とっても可愛いです。ありがとうございます」
万里「よかった。どういたしまして」
屈託なく笑う万里くんは、とても素敵で……
(さっき落ち着きがなさそうだったのは……うきうきしてたのかな?)
少しだけ感じた違和感も、微笑ましさで忘れてしまっていた…―。
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