第1話 待ち合わせ

チョコレートの国・ショコルーテ 白の月…―。

昨日、この国に招待された私を待っていたのは、思ってもみない再会だった。

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万里『偶然ですね、こんなところでアナタと再び顔を合わせるなんて……。 よろしければ一緒に街を回りませんか?』

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こうして翌日…―。

私は万里くんと待ち合わせ先へと急いでいた。

(まだ時間には早いけど、万里くんのことだしもう着いてるかな?)

万里くんは、映画に関わる連合組織ビオスコープに加盟する羅漢星の王子であり、カンフーアクションスターとして、絶大な人気を誇っている。

(ファンの子達に見つかって騒ぎになってなければいいけれど……)

そんな心配をしながら待ち合わせ場所に到着すれば…―。

(万里くん、まだいないみたい。余計な心配だったかな?)

??「お待たせしました」

○○「え!?」

背後から声をかけられて振り向くと、柱の陰から万里くんが顔を出した。

万里「すみません、驚かせてしまいましたか? 街が賑わっていたようなので、少し気配を消して隠れてました」

○○「そんなことができるんですか?」

万里「ええ、アクションの基本は静と動ですから……では行きましょう」

そう口にするけれど、万里くんはどこか落ち着きのない様子で……

(どうしたのかな?)

彼の視線の先を見るけれど、街はいつもより少し賑やかなだけだった。

すると、万里くんは周りの目を気にしながら小さいなキーチャームを取り出した。

○○「これは……『ぱんだちゃん』?」

万里「はい!」

途端に万里くんの顔から精悍さが消え、ぱっと花が咲いたような笑顔になる。

ぱんだちゃんというのは、パンダをモチーフにした若い女の子達に人気のキャラクターだ。

実は万里くんは、このぱんだちゃんをはじめ、可愛いものが大好きで…―。

万里「アナタに手土産をと思って。これこの前出たばかりの新作なんです」

(そっか……万里くん、相変わらず可愛いものが大好きなんだ)

万里「……可愛くないですか?」

○○「とっても可愛いです。ありがとうございます」

万里「よかった。どういたしまして」

屈託なく笑う万里くんは、とても素敵で……

(さっき落ち着きがなさそうだったのは……うきうきしてたのかな?)

少しだけ感じた違和感も、微笑ましさで忘れてしまっていた…―。

 

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