第4話 レッスン、スタート!

スカウトの方に連れられ、ダンススタジオにやってきた私達は・・・ー。

スカウト「これがライブで使う楽譜なんだけど、楽譜は読める?」

シュニー「僕は誰だと思ってるの? これくらい余裕だよ」

スカウト「そうか、それは頼もしい! じゃあ、ちょっと歌ってみようか」

胸を張るシュニー君に、スカウトの方は嬉しそうな表情を見せる。

そうして簡単な音取りの後、さっそくシュニー君は歌い始め・・・・・・

(・・・・・・綺麗な、声)

その歌声はまっすぐに透き通っていて、すっと胸に染み込んでくる。

最後まで歌い上げると、彼は得意気に私の顔を覗き込んだ。

シュニー「どうだった?」

○○「すごく上手でした。聞き惚れてしまって・・・・・・」

シュニー「まあ、当然だよね。僕が歌ってるんだから」

シュニー君は得意げな顔をしながら腕組みをする。

スカウト「いやあ、想像以上だよ! こんなに素晴らしい歌声だったなんて! よーし。歌はこの調子なら問題なさそうだし、次はダンスだね!」

シュニー「えっ? ダンス・・・・・・」

さっきまで明るかったシュニー君の顔が、一気に曇る。

その理由は、ダンスのレッスンを始めるとすぐに明らかになった。

(やっぱり、ダンスはあまり得意じゃないんだ・・・・・・)

シュニー君は一生懸命踊っているものの、どうしても間違えてしまうようで・・・・・・

なかなか完璧にならないダンスに、スカウトの方も難しい表情を浮かべている。

スカウト「うーん、ダンスは苦手なのかな?」

シュニー「・・・・・・」

スカウト「ああ、でも君のその歌声さえあれば無理に踊らなくても大丈夫だよ。会場を虜にすることは間違いないから・・・-」

シュニー「・・・・・・っ! それじゃあ駄目だ!」

言葉を遮るように、シュニー君が声を上げる。

○○「シュニー君・・・・・・?」

シュニー「高潔なる雪の一族である僕に、できないことなんてない! それに・・・-アイドルっていうのは、歌とダンスで人を笑顔にするんでしょ? だったら、ダンスもできないと駄目だ・・・・・・違う?」

シュニー君が、私の方へと向き直る。

(シュニー君・・・・・・ダンスは苦手みたいだけど)

(でも、シュニー君が頑張ろうとしてるなら・・・・・・)

○○「・・・・・・そうですね。私も協力しますから、頑張りましょう」

シュニー「当然だよ! 必ずダンスも完璧にしてみせるから!」

決意を宿したシュニー君の深紅の瞳が、まっすぐに私を見つめていた・・・ー。

 

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