スタッフ失踪事件は、グレアム君の推理力により無事に解決となった。
けれど…―。
○○「明日にはオープンのはずだったのに、残念ですね……」
結局、アトラクションは問題部分を改修しなければならず……オープンは遅れることとなった。
グレアム「テルの心情を察すると、無理もないよ。 ウィルに勝手に改造されたところが心配でたまらないんだろう」
今回の事件…―。
それは、アトラクション設計をしたテルさんの弟……ホラー監督であるウィルさんによるものだった。
グレアム「なんでも、恐怖を増長する仕掛けのためだったとか……テルが疲れ切った顔で謝罪してきたよ」
○○「……気の毒ですね」
致し方ないことだけれど、やっぱり残念な気持ちはぬぐえない。
グレアム「確かに俺も不本意ではあるが……。 ミステリーは虚構世界のものだから楽しめる。現実を侵食する虚構などは放っておけるはずがない。 どうあがいても、回避しがたいものだったに違いない」
グレアム君はいつもの調子で語りながら、『水晶宮からの招待状』のアトラクションを見据えた。
グレアム「……はぁ」
アトラクションを見つめながら……グレアム君は海よりも深いため息をこぼした…―。