太陽7話 格好いいオレを……

ミヤの様子が気になり、私は彼の控え室へと向かった。

……

ミヤ「うわあ、すごい人だね。緊張しちゃうな」

窓から闘技場の様子を見ながら、ミヤは楽しそうに笑っている。

(ミヤ、緊張はしてないみたい……よかった)

ミヤ「イリアはどんな魔術を披露するんだろうね」

○○「ミヤは知らないの?」

ミヤ「うん。イリアだって、オレがどんな魔術を使うか知らないしね。 イリアのことだから、きっと、皆が驚くような難しい技を披露するんだろうな」

ミヤの表情に、暗い影は差していない。

心からイリアさんの魔術を楽しみにしているようだった。

ミヤ「後、ルーガに成功した魔術を見せられるといいな……」

視線を遠くに向けながら、ミヤがぽつりとつぶやく。

(ミヤ……)

私は、彼の言葉を思い出す…―。

ー----

ミヤ「あのさ、○○ちゃん……頑張ってって、言ってくれるかな? ○○ちゃんが応援してくれると、もっと頑張れる気がするんだ」

ー----

 

(私の応援が、ミヤの役に立つなら……)

○○「ミヤなら、きっと大丈夫だよ。あんなに一生懸命練習していたし……。 私、ミヤの魔術を楽しみにしてるね」

ミヤ「……○○ちゃん」

少しだけ驚いたように私の名前をつぶやいた後、ミヤが再び口を開く。

ミヤ「そうだね。今日は格好いいオレを見せられるかな。 ○○ちゃんには、いつも情けないところばっかり見せちゃってるし……。 ほら、オレはイリアみたいに格好よくできないからさ」

○○「そんなことない……!」

自嘲するようなミヤに、とっさに言葉が出ていた。

○○「ミヤは、格好いいよ」

ミヤ「! ……うん、ありがとう」

ミヤは照れくさそうにしながらも、喜びを隠しきれない様子で微笑む。

ミヤ「ありがとう。オレ、頑張るね!」

ミヤの瞳の奥に、強い光が宿る。

彼が魔術を披露する時間は、間近に迫っていた…―。

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