魔術の国・ソルシアナ 陽の月…―。
青空を箒に乗った人々が飛び交い、街のあちらこちらでは魔術を披露する人達の姿が見受けられた。
(いつ来ても、楽しい国だな……)
ミヤ「今度、オレの国で魔術の祭典をやるんだ。 オレやイリアも新しい魔術を披露する予定だからさ。よかったら遊びに来てよ!」
数日後に行われる魔術の祭典に招待をされた私は、ミヤの待つ城へと向かう。
ミヤ「○○ちゃんが来てくれるなら、オレ頑張れちゃうな」
太陽のようにまぶしい彼の笑顔を思い出すと、心の奥までじんと温かくなった。
気さくな性格と明るい笑顔で多くの人望を集めるミヤと、上品で優しく、次期国王としての期待を一身に背負うイリアさん…―。
(いったい、どんな魔術が見られるんだろう……?)
私は期待に胸を膨らませながら、彼の城へと向かった…―。
城に着いて、ミヤの部屋へと案内されると、私は扉をノックして声をかけた。
○○「ミヤ、○○だけど……」
ミヤ「いらっしゃい、○○ちゃん! 待ってた…―」
部屋の中から彼の明るい声が聞こえてきたけれど、すぐに途切れてしまう。
○○「……ミヤ?」
(どうしたのかな?)
心配になり、そっと扉を開けてみると…―。
ミヤ「わっ、ごめん、○○ちゃん! まっ……」
七色の火花が、縦横無尽にミヤの前で弾け飛んでいる。
(危ない……っ!)
ミヤ「ああ~、もう、ストップ!」
ミヤが命令するように叫ぶと、火花は瞬く間に消え去った。
○○「もしかして、今の火花ってミヤの魔術?」
ミヤ「びっくりなお迎えになっちゃったね。ごめんね、○○ちゃん」
ミヤは頬を赤く染めながら、照れ笑いを浮かべる。
久しぶりのミヤとの再会は、驚きに溢れたものだった…―。