太陽5話 イリアの魔法

魔術の祭典当日…-。

ついに、イリアさんが闘技場に出る順番を迎える。

〇〇「イリアさん……」

少しでもイリアさんの力になりたくて、彼を呼び止める。

すると、彼は振り返りそっと私を抱き寄せた。

〇〇「っ……!」

イリア「少しだけ力をわけていただけますか?」

〇〇「はい……」

イリアさんの背中にそっと手を回す。

イリア「少しだけ不安だったんです。上手くいくかどうか。ですが、もう大丈夫。 行ってきます。見ていてくださいね。きっと成功してみせますから」

(イリアさん……)

私から離れると、イリアさんは舞台上へと向かっていく。

彼の登場に、ひときわ大きな歓声が上がった。

(イリアさん……!)

瞳を閉じると、イリアさんは何かを唱え始める。

イリア「……」

青い粒子が光り輝き、イリアさんの体を包み込んだ。

イリアさんが手を上げると、その光は大きな塊となって空に昇っていく。

(すごい……!)

水は馬の形になり空を駆け巡ったかと思うと、今度は鳥の形に変わる。

祝福するように空を飛び回ると、鳥は水しぶきとなり消えていった…-。

 

 

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