月6話 変化

ハクさんに抱きかかえられ、城に戻ると…ー。

ハク「……」

丁寧に私のひざを消毒し、包帯を巻いてくれた。

(あ……)

昨日出会った、怪我をしたうさぎが私のところへやってくる。

うさぎは元気に、私達の周りを飛び跳ねていた。

(よかった……治ったんだね)

ハク「痛むか?」

○○「あっ、いえ……」

ハクさんは心配そうに、私のひざを見つめている。

ハク「悪いな……ああいう時は、加減をするものなのだろうな」

○○「そんな……守っていただいたんですから……」

ハク「……怖かったか?」

○○「……はい」

素直にそう答えると…ー。

ハク「……そうか」

突然、ハクさんの瞳が鋭さを帯びた気がした。

○○「ハクさん……?」

ハク「……」

声をかけてみるものの、返答はなく……

彼は私の傷に、再びじっと視線を落とすばかりだった…ー。

 

 

<<第5話||<<太陽SS||月7話>>