ハクさんに抱きかかえられ、城に戻ると…ー。
ハク「……」
丁寧に私のひざを消毒し、包帯を巻いてくれた。
(あ……)
昨日出会った、怪我をしたうさぎが私のところへやってくる。
うさぎは元気に、私達の周りを飛び跳ねていた。
(よかった……治ったんだね)
ハク「痛むか?」
○○「あっ、いえ……」
ハクさんは心配そうに、私のひざを見つめている。
ハク「悪いな……ああいう時は、加減をするものなのだろうな」
○○「そんな……守っていただいたんですから……」
ハク「……怖かったか?」
○○「……はい」
素直にそう答えると…ー。
ハク「……そうか」
突然、ハクさんの瞳が鋭さを帯びた気がした。
○○「ハクさん……?」
ハク「……」
声をかけてみるものの、返答はなく……
彼は私の傷に、再びじっと視線を落とすばかりだった…ー。