暗くなり始めた城の中を、音がした方へ向かって走り出す……
レオニー「ま……待て! オレを一人にすんじゃねえーっ!!」
レオニーは鬼気迫った表情で、私の後を追いかけてきた。
〇〇「レオニー、どうして追いかけてきたの?」
レオニー「どうしたも何もないだろっ!! こ、こんなとこで一人にされるなんて絶対にゴメンだ! お、オレを勝手に置いてくな!」
〇〇「う、うん……ごめん」
必死な様子で彼が言うので、思わず頷いてしまう。
レオニーの顔色は、すでに真っ青だ。
(レオニー、本当に怖いんだ……)
〇〇「じゃあ、レオニーは私の後ろについてきてね」
レオニー「お、おう! ぜぜぜ絶対オレの手を離すんじゃないぞ!」
〇〇「うん」
レオニーが大きな手で私の手を握る。
(なんだか……変……?)
少し疑問に思うものの、私も彼の手をしっかりと握り返す。
恐怖を飲み込むようにして、先ほど不気味な音が聞こえてきた部屋の扉に手をかけた。
軋む音を響かせながら扉が開けば…―。
人形兵「……っ!!」
〇〇「え!?」
扉を開けるや否や、機械仕掛けの不思議な人形が襲いかかってきた。
〇〇「大丈夫、レオニー!?」
怖がりな彼を心配して、人形兵の一撃を避けるなり彼の方を振り向く。
レオニー「だ、だ、だだだだ大丈夫……なワケあるかああぁぁぁーっ!!」
〇〇「え!? ま、待って、レオニー!!」
いきなり彼は、私を置いて、その場から逃げ出してしまった。
〇〇「そんな……!」
人形兵「……」
不気味な人形兵が、一人残された私に無表情で迫る……
(ど、どうすれば……!)
私は必死の思いで辺りを見渡し、近くにあった燭台を人形兵に投げつける。
人形兵が、一瞬怯んだその隙に……
〇〇「レオニー! 置いていかないで!」
彼の姿を追って、私も暗がりの中を駆け出したのだった…-。