第5話 不気味な人形兵

暗くなり始めた城の中を、音がした方へ向かって走り出す……

レオニー「ま……待て! オレを一人にすんじゃねえーっ!!」

レオニーは鬼気迫った表情で、私の後を追いかけてきた。

〇〇「レオニー、どうして追いかけてきたの?」

レオニー「どうしたも何もないだろっ!! こ、こんなとこで一人にされるなんて絶対にゴメンだ! お、オレを勝手に置いてくな!」

〇〇「う、うん……ごめん」

必死な様子で彼が言うので、思わず頷いてしまう。

レオニーの顔色は、すでに真っ青だ。

(レオニー、本当に怖いんだ……)

〇〇「じゃあ、レオニーは私の後ろについてきてね」

レオニー「お、おう! ぜぜぜ絶対オレの手を離すんじゃないぞ!」

〇〇「うん」

レオニーが大きな手で私の手を握る。

(なんだか……変……?)

少し疑問に思うものの、私も彼の手をしっかりと握り返す。

恐怖を飲み込むようにして、先ほど不気味な音が聞こえてきた部屋の扉に手をかけた。

軋む音を響かせながら扉が開けば…―。

人形兵「……っ!!」

〇〇「え!?」

扉を開けるや否や、機械仕掛けの不思議な人形が襲いかかってきた。

〇〇「大丈夫、レオニー!?」

怖がりな彼を心配して、人形兵の一撃を避けるなり彼の方を振り向く。

レオニー「だ、だ、だだだだ大丈夫……なワケあるかああぁぁぁーっ!!」

〇〇「え!? ま、待って、レオニー!!」

いきなり彼は、私を置いて、その場から逃げ出してしまった。

〇〇「そんな……!」

人形兵「……」

不気味な人形兵が、一人残された私に無表情で迫る……

(ど、どうすれば……!)

私は必死の思いで辺りを見渡し、近くにあった燭台を人形兵に投げつける。

人形兵が、一瞬怯んだその隙に……

〇〇「レオニー! 置いていかないで!」

彼の姿を追って、私も暗がりの中を駆け出したのだった…-。

 

 

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