虹の国・オズ 輝の月…-。
夕陽の輝く丘の上で、目覚めたばかりの王子が目をこすっている。
レオニー「うぅ…………」
〇〇「大丈夫ですか? あなたの名前は……」
レオニー「っ……!?」
一瞬肩を震わせて、どこか自信なくこちらを盗み見たかと思えば、彼は腰に手をあてて、胸を張った。
レオニー「オ……オレは、泣く子も黙るこのシンヴァの領主、レオニー……だっ!」
〇〇「こんにちは、レオニー。私は〇〇」
簡単に自己紹介をして、彼に手を差し出す。
しかしレオニーは、私の手を見たまま、固まってしまった。
〇〇「……レオニー?」
レオニー「……っ!?」
彼は私の顔を見ようとしては、赤くなったり青くなったりしつつ、所在なさそうに胸の前で指を組む。
(どうして、目を見てくれないのかな?)
気になって、彼の顔を覗き込めば…-。
レオニー「うわぁああっ!?」
〇〇「えっ、ごめんなさい、私、何かあなたに失礼なことを?」
いきなり飛び退いたレオニーとの距離を計りかねて、控えめに問いかける。
レオニー「……な、なんでもない! けど、アンタがいきなり近づくから。 あ、でも今のは、ぜってー誰にも言うなよ!? いいか? ……いい、よな?」
〇〇「……? うん……」
真っ赤になってそっぽを向いたレオニーの言葉に、とりあえず頷く。
(恥ずかしがり屋……なのかな?)
派手な見た目の割に、おどおどした態度がどこか不自然で、私は首を傾げたのだった…-。