翌日、ついに待ちに待った感謝祭当日…-。
シンヴァ領だけでなく虹の国全体が物珍しい祭りに沸いていた。
〇〇「すごい人の数。こんなに大勢の人が街にいたんだ……」
レオニーと一緒に街へ出た私は、賑やかな様子にしばし圧倒されていた。
レオニー「多分、観光とかで来てる人もいるんだと思う」
〇〇「そうだね。あ! それよりもあそこ」
レオニー「!」
私が指差した先では、祭りへ訪れた人々に色とりどりの卵が配られていた。
小さな男の子「やったー! この卵すげー! 変形するぞ!?」
小さな女の子「わあ! 私のはアメジスト色なの! 綺麗なビーズがいっぱい!」
機械仕掛けの卵を受け取った人々が、一様に笑顔を浮かべている。
〇〇「皆、喜んでいてくれてるみたいだよ。よかったね、レオニー」
レオニー「そ、そりゃあれだけ頑張ったんだからな、当然だ! ……多分。中身はオズワルド製だし」
〇〇「うん。レオニーが一生懸命、頑張ったからだよ」
レオニー「……っ」
レオニーの言葉に、彼を労うように懐にいたヒヨコが小さく鳴く。
レオニー「……なんだよ、オマエも嬉しいのか? そうか、オレもだぞ」
そう口にしたレオニーは、人々の笑顔を見て胸を撫で下ろしているようだった…-。