山車についている筒のことを聞いた瞬間、オズワルドさんの笑みが深くなる…一。
オズワルド「これは、ここから水が出る仕掛けになっているんだよ」
筒に大事そうに手を触れながら、オズワルドさんはそう教えてくれた。
◯◯「水、ですか?」
(水鉄砲かな? それとも放水車みたいなもの……?)
オズワルド「そう。小さい虹をいくつも作りながら通りを走ろうっていう算段さ!」
きらりと光る彼の瞳を見た途端、水しぶきの中、虹が美しく架かるパレードの様子が目に浮かんでくる。
(すごい……)
◯◯「……そういうことだったんですね。すごく面白いです!」
興奮気味に、オズワルドさんに感想を伝えると……
オズワルド「そうでしょう、そうでしょう? せっかく暖かくなってきたからね」
◯◯「はい、それにとても素敵な光景になりそうですね」
オズワルドさんが、満足そうに幾度も頷く。
(……最初は、戸惑ってばかりだったけど)
いつの間にか私も、パレードが待ち遠しくてたまらなくなっていた…ー。