割れんばかりの歓声が、私とジークさんを包んでいる。
その中でも、私にジークさんが紡ぐ言葉がはっきりと聞こえてきた。
ジーク「私はあなたを……。 一人の男として、お慕いしている」
〇〇「……!」
ジーク「私のプリンセス……」
熱い瞳が、私を見つめている。
そっと引き寄せられるままに、私はジークさんの腕の中に包まれた。
(一人の、男として……?)
試合でほてった体の熱と、大きく跳ねる鼓動が、ジークさんから伝わってくる。
〇〇「ジーク……さん……」
ジーク「……!」
我に返ったかのように、ジークさんが私から離れた。
ジーク「わっ……私は、何と失礼なことを!」
〇〇「いえ……」
ジーク「……さあ、帰りましょう。プリンセス」
ジークさんは私に背を向ける。
少しだけ覗く耳が、赤く染まって見えて……
彼に抱きしめられた、私の体もまだ熱を持っていた…-。