歓声が、私とジークさんを包んでいる。
その中でも、私にジークさんが紡ぐ言葉がはっきりと聞こえてきた。
ジーク「私はあなたを……。 私は、これからもあなたを守る騎士であることを誓います」
〇〇「ジークさん……」
私の前に跪くと、ジークさんが恭しく頭を垂れた。
まるで、オペラの中の一幕のように。
〇〇「私は……」
どう答えていいかわからずに、私はそっとまつ毛を伏せる。
そんな私に、ジークさんが顔を上げて笑いかけた。
ジーク「無理にお言葉をいただかなくて大丈夫です。 これは、私の決意を言ったまで」
〇〇「ジークさん……」
ジーク「さあ、お部屋にお送りします」
(私は……)
言葉にならない声を飲み込んで……
私はジークさんと共に、まだ熱の残る会場を後にした…-。